悪夢

『こどもの詩』という本を適当にめくっていると、「お母さん、夢に弁当持ってくから作って」(要約)といった内容の詩が出てきた。楽しいね。お母さんのお弁当が大好きなんだね。

しかしその弁当好きが裏目に出て、例えばこの子が自ら弁当を作って食べる夢でも見てしまったならば、夢産の弁当と現実産の弁当の二食分を残さず食さなければならない。ご飯を残さず食べないとバチが当たるという呪いが日本人にはもれなく掛けられている為、二食とも残してはいけないのである。しかしながら子供はご飯をいっぱい食べると苦しくなる。なぜなら子供は大人と違って朝昼晩三食きちんと食事をする健康な生活を送っている傾向にある為、一度にいっぱい食べられる程の空腹状態にはなり得ないからである。弁当を持っていったのだから弁当作る夢なんて見ないじゃんと反論されるかもしれない。しかし子供に限らず人間はどうせ夢に弁当を持っていったことなんて忘れてしまう。枕の下に参考書を置いて寝るとぐっすり眠れます。

結論としてお前は悪夢を見ることになるだろう。はい論破。また勝ってしまった。これだからガキは(笑)

 

夢で何か食べると、ちゃんと味もするし満腹にもなる。食べる夢での俺は大抵うまいものをたらふく食って満足満足となっている気がする。そういう夢から目覚めた後は本当に惨めな気持ちだ。朝は抜きがちだし、食ったとしてもせいぜい食パンとか納豆とか鯖缶程度のザ・朝食といったありきたりなものしか腹に入らない。激ウマグルメを堪能したはずなのになぜか腹が減っているし、味も覚醒するに連れてだんだんぼやけてくる。おまけにこれから食おうとしているものは新鮮味もクソもない普通の朝食だし、ああ、こんな気持ちになるのなら永遠に起きなきゃよかった…。

 

夢の食べ物には遅効性の毒が入っているから気をつけよう。その夢が結果的に悪夢になるので。