極楽への風

天気というものはそれなりに変化があった方が良い、と思う。暖かい方が生命の躍動を感じるし、晴れていれば毛穴一つ一つが開かれるような開放感があって好きなのだが、晴れ続きだとなかなかどうして味のなくなったガムを噛み続けている気分になってくる。そんなシラけた晴れが味を取り戻すために曇りや雨はあるのだと思う、基本的には。

 

と述べた上で、今日の快晴はこの気候が永遠に続いてほしいと思うくらい心地の良い一日だったのだ。思うに、それを決定付けたのは風だったと思う。多分、風。

それはまるで極楽へと連れていってくれるんじゃないかと思うほどに最適な風速と涼しさだった。今日ほど鳥になりたいと思った日はない。いや、幸いにも最近なにか翼を得たような心境なのだ。もしかすると俺は今日、まごうことなき極楽にいたのかもしれない……。

 

ところで昼間立ち寄ったコンビニの駐輪場にスズメの死骸があった。いや、ホントに極楽に行ってどうすんだよ。