対話篇

(我々は緊張下にあったA国とB国間のホットラインを傍受していた。以下は○月△日、二国が歴史的和解に至った対話を記録したものである)

 

A:もしもし?ボノボは性行動で緊張状態を緩和するって言うよね。まあそれはひとまず置いといて、最近どうよ?愛し合ってるかい!なんつってさ(笑)ガハッ!(笑)いや何も恋愛に限った話をしてるんじゃないんだよ。例えば俺は毎朝ガジュマルの木に水をやるんだ。観葉植物が趣味でね。俺が水という愛を注ぐ。すると植物はすくすく育って俺を幸せな気分にしてくれる。これって素晴らしいよな〜!でも実はさ、俺が注いでいるのは水じゃなかったってことに最近気付いちまったんだよ。内閣チキチキビンゴ大会の景品で貰った隠しカメラを部屋に設置してみたら分かったんだけどさ、本当は起きたてのおしっこをぶっかけているだけだったんだ。それなのに植物って育つんだよな、不思議なもんだ。そんな訳で俺はこう思った。もし俺がおしっこをぶっかけていたとしても、おしっこマニアの変態植物にとっては水と同じようなもん、いやむしろ水なんかよりよっぽど養分のある恵みの雨であって、そのことは別に俺が気に病むことじゃないんだよな。そして別にヤツもおしっこマニアだってことを恥ずかしがる必要はないから、堂々と根を張り、枝を伸ばし、葉を繁らせられる。そうそう、しかも直径122センチのキンボールの実がなってたんだぜ、いつのまにか!オムニキンしっこ!なんつってさ(笑)ルールなんて知らんっつーの(笑)いやでもやっぱり愛し合うって素晴らしいことだよな〜!というか愛し合うというよりも、俺がガジュマルを愛し、ガジュマルが俺を愛し、一方通行を互いに向け合いながら混ざり合うって感じなんだろうな!愛し合うってそんな感じなんだろうな!!ガハッ!!!(笑)ところでさ、ボノボは性行動で緊張状態を緩和するって言ったよね。えっち、する……?

 

B:します!

 

A:ガハッ!(笑)んじゃ来週〜

 

(fin.)