ヒールはファンタジー

中邑真輔がヒールターンしたらしい。

プロレスの世界は小指の爪先程度にしか知らないのだけれど、基本的な世界観は善悪二元論で成り立っているという認識だ。そう考えてみるとヒールってかなり羨ましいなあと思う。

なぜなら我々の日常にとっても善悪二元論はかなり有効で、大抵の場合善っていうのは善くて悪は悪いからです。個人的な統計によると善い行いには社会的なメリットがあって悪行にはデメリットがつきものなので、あんまり悪行ばっかしていると全然楽しくない。そうなると大抵の人間は楽しくなりたいから悪行をしないようになるんだけど、プロレスの世界におけるヒールは善行が悪であり悪行が善である。これは現実世界の逆さまの原理で動いている。逆さまの現実だ。かなりファンタジー。

ここからは想像だけど、普段は普通の現実にいながらプロレス中は逆さまの現実に身を投じる二重生活をしていると、いずれどちらかがどちらかの世界に侵食してきてよくわからなくなってくるんじゃないだろうか。現実がプロレスに侵食すると演技が下手なダメレスラーで終わりだけど、プロレスが現実に侵食したときはマジでやべーやつになれる気がする。その辺にいる悪人は悪を自覚しながら、もしくはさせられながら開き直ったりコソコソしたりして悪いことをしているのだろう。でもこの場合は価値観がイッちゃってるから、胡蝶の夢状態のまま現実世界で悪事を働きまくる最強の人間が完成する。つよい。

そんな感じで、価値基準が曖昧になった時は境界があやふやでなかなか面白いよねという話でした。好きなレスラーは男色ディーノです。

 

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日記なんてものは続けようと思って焦るから長続きしないのであって、絶対に続けてなるものかという断固とした決意を以てすれば確実に長続きするはずなんです。今日からコツコツ日記をやめていこうと思います。